3Dプリンター特集2: 本格検討編

自動車業界の試作開発部門で活躍する3Dプリンター

エンドユーザーの手に渡る最終製品すら製造可能になった3Dプリンターだが、やはり現在の段階では主な活躍の場は試作開発の場にある。かつてのような形状試作のみならず、機能試験を3Dプリント品で行うケースも増えてきている。自動車業界の試作開発部門において3Dプリンターがどのように活用されているかを紹介する。

 

高性能化3Dプリンターが可能にする、試作コストの低減

開発現場で活躍する3Dプリンター

3Dプリンターが開発現場で活用される事例はすでに数多くある。

例えばランボルギーニではStratasys社の3Dプリンターを使用し、Aventadorのボディーシャーシの試作を行った。Aventadorのシャーシは炭素繊維強化複合材料(CFRC)による一体型のモノコック構造となっている。これを成型する金型は大型で複雑な構造になるため改修が難しく、綿密な事前検証が必要になる。そこでランボルギーニでは3Dプリンターを使用し、1/6スケールのプロトタイプを作成。組み立て検証などを行った。同様の試作を従来のような金型で行うと試作期間は4ヶ月、費用は4万ドルが掛かったと試算されていたが、3Dプリンターで行うことにより試作期間は20日、費用は3000ドルで行うことができた。

またJaguar Land Roverでは樹脂部品の試作品のうち1/3以上の部品が3Dプリンターによって作られている。導入当初では、エラストマー製のエアベントを作成。機械的、物理的特性や表面仕上げの状態が従来の試作品と全く変わらないことを確認したという。現在ではゴム製シール付きカバーのような、いわゆる二色成形と同じような異素材を組み合わせた部品も3Dプリンターで試作をしている。

日本の開発試作現場における3Dプリンター活用事例

日本の自動車業界では、Hondaの純正アクセサリーパーツを開発するHonda Accessで3Dプリンターが使用されている。

ユーザーの好みに応じたカスタマイズを可能にするアクセサリーパーツの種類は、1車種あたりでも200を超える。その全てに対して、場合によっては複数回の試作を行う必要がある。そこでHonda Accessでは3Dプリンターを導入。削り出しなどで行っていた従来の試作に比べ、オンデマンドで迅速な試作が可能になった。

試作における3Dプリンターの利点

現状では、3Dプリンターの活躍の場は試作などの開発現場が多い。なぜならば、3Dプリンターであれば従来の方法に比べて試作品製作期間や費用を抑えることができるケースが多いからだ。その理由は主に2つある。1つは3DプリンターがCAD上に作成した3Dデータをそのまま出力することができること。もう1つは金型を必要としないことだ。

削り出しや仮型での成型といった従来の試作方法の場合、部品の3D形状データだけでなく加工図や型図面を起こす必要がある場合がある。しかし3Dプリンターならば部品の3Dデータをそのまま使用して加工することが可能であるため、中間図面を製作する必要がない。また、特に樹脂部品の試作においては、従来であれば試作金型を用意する必要があった。

しかし金型の製作には時間も費用もかかる。3Dプリンターは、金型を必要としないため、試作金型の製作費用やそれにかかる期間を短縮することが可能になる。

とはいえ金型にメリットがない訳ではない。部品1個あたりの生産コストは、やはり3Dプリンターよりも金型の方が安くなるケースがほとんどだ。試作や開発の段階でも必要な生産数が多い場合には、コストメリットの検討が必要になる。

 

まとめ

3Dプリンターは試作開発現場を中心に既に広く利用されている。3Dプリンターで試作を行うことにより、従来の方法に比べオンデマンドで素早い試作部品の製作を可能にしたり、より低いコストでの製作を可能にしたりするケースも多いためである。また最近では試作に向けての3Dプリンター出力サービスを行っている企業も増え、3Dプリンターを持たない企業でも3Dプリンターを活用できる状況が整ってきた。今後、自動車部品の試作開発の現場では3Dプリンターの利用はさらに広がるだろう。

 

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