3Dプリンター利用ガイド: 本格検討編

導入診断チェック

上司に言われて急に3Dプリンターを導入することになった時の処方箋(1)

いきなり上司に3Dプリンターについて調べろ!そして導入するには何が必要か見定めて、しっかり計画を作れ!などと言われて困っている方のために、業務用3Dプリンターを導入する前に、気を付けなければならないチェックポイントを質問形式で25項目にまとめました。今回はその第一回目です。 各項目について、参考情報記事も紹介していますので、導入に失敗しないよう、ぜひじっくり読んでみてください。

3Dプリンター運用で重要な25のポイント(1)

 

Q1:達成すべきゴール(新規事業展開、簡単な試作、最終製品製造等)と、やりたいことは決まっていますか? 

 

開発サイクルの向上や外注コストの削減など、3Dプリンターの導入理由には様々なものがあります。テストとしてまずは導入するという場合もあるかもしれません。いずれの場合においても、達成すべきゴールを決めずに導入を行うと、その後の運用に行き詰ることになります。

達成すべきゴールが決まっていれば、その為に導入するべき装置の種類や性能などが見えてきます。また、社内にどのようなプロジェクトチームを作り、どのようなテストを行い、導入をどのように進めていくのか。導入後の運用はどのように行っていくのかなど計画が立てられます。導入した3Dプリンターが無駄にならぬように、最終的なゴールまで綿密な計画を立てることが必要です。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第一回)
本文10~15行目

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第四回)
本文1~23行目

 

Q2:作りたいもの(試作、治具制作、耐熱性・強度のあるもの等)は、明確に決まっていますか?

3Dプリンターには、材料押出堆積方式、粉末焼結積層造形方式、光造形方式、インクジェット方式など、各種の造形方式があります。造形方式により使用する素材や、完成時の精度、強度などが異なり、作れるものも変わります。作りたいものが決まっていなければ、導入時にどの造形方式を選ぶのが最適か決めるのは困難です。
それぞれの造形方式の特徴をよく理解して、作りたいものに最適な造形方式を選択することが重要です。また、造形方式によって必要な設備なども考慮に入れておく必要があります。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第一回)
見出し「「3Dプリンターで何をやりたいのか?造形方式、機種を検討」本文10行目~

 

Q3:出力したいサイズ感はどれぐらいですか?

3Dプリンターで造形できる大きさは機種によって異なります。造形範囲が狭く、自分たちの希望するサイズで造形できない場合があります。逆に、必要以上に大きなサイズを作れるハイスペックな装置を入れるのも、コスト面において無駄が出ます。
作りたいもののサイズから考え、ある程度の余裕をもった造形範囲を持つ装置を検討する必要があります。また、造形するもののサイズが大きくなれば、造形にそれだけの時間がかかります。サイズが多くなる場合は造形速度も考慮に入れて検討してください。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「装置本体以外に導入時に必要なこと」本文6~9行目

 

Q4:使う素材は決まっていますか?

3Dプリンターで造形できる素材には樹脂、金属、石膏など各種あり、それぞれ特性が異なります。作りたいものにより選ぶ素材も異なるので、素材の特性をよく理解して使用する素材を決めます。
また、使用する素材により、どの造形方式を使うかが決まり、造形方式により必要な設備や設置環境も異なります。そのため、どのようなものが必要になるのか導入前に確認しておく必要があります。さらに造形方式によっては、設置に関して消防などの許可が必要になる場合があります。その点の確認も必要です。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「装置本体以外に導入時に必要なこと」本文1~38行目

 

Q5:材料によっては廃棄物処理が発生することを知っていますか?

材料押出堆積方式の3Dプリンターは、中空構造になるような形状の場合、サポート材を同時に造形する必要があります。取り外したサポート材は廃棄物として処理する必要があるので、大量に造形する場合は廃棄物処理の手続き等が必要になる場合があります。
また、光造形方式では、造形後に造形物を洗浄する必要があるため、材料液によっては下水に直接流せないものもあり、廃液処理の設備や、関係各所への届け出が必要となる場合があります。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「装置本体以外に導入時に必要なこと」本文15~38行目

 

Q6:生産方式によっては、特別な環境の用意が必要なことを知っていますか?

粉末焼結積層造形方式は、粉末を扱うので、粉塵が周囲や外部に飛び散らないようにする排気設備と機密性が高い部屋が必要となります。また、粉塵爆発を防ぐための装置内の酸素濃度を下げる装置や、温度調整のためのチラー装置も必要となる場合があります。
光造形方式では、強い臭気が発生する場合があるので、換気設備や洗浄用の水回りが必要となります。材料押出堆積方式も、周囲が高温になる場合があるので、空調設備が必要となります。作りたいものだけに意識を向けていると導入後、困った事態に陥ることもあります。設置環境のこともしっかり考慮し、少しでも気になった点は洗い出して調べておきましょう。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「装置本体以外に導入時に必要なこと」本文9~15行目

 

Q7:ベンチマークサンプルの入手は出来ていますか?

ベンチマークサンプルを入手しておけば、機種選定の際に、作りたいものが実際に作れるかどうかを判断するのに使用できます。なるべく多くの機種のベンチマークサンプルを入手することで、自分たちの作りたいものに最も適した機種はどれであるのか比較して検討できます。多くの機種を扱っているメーカー/代理店ならば入手もしやすくなります。
また、既にあるサンプル3Dデータのプリント要望に柔軟に対応できるかどうかも、メーカー/代理店を選ぶ重要なポイントの1つとなります。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第一回)
見出し「内部調整やメーカー/代理店の選定が重要」本文1行目~

 

Q8:3Dプリンターの設置場所は決まっていますか?

3Dプリンター設置の際には、電源、ダクト、空調、排水施設など様々な設備工事が必要な場合があります。設備工事が可能な環境であるのか、設置場所を決める際に確認しておかなければなりません。また、本体以外に温調装置やエアー装置などの附帯装置、材料の保管庫なども設置する場合があるため、設置場所には十分な広さを取る必要があります。他にも、大型の装置の場合には、床の強度や耐震の補強が必要になる場合もあり、設置場所を決める際には、事前にチェックが必要です。

【関連情報】

導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「装置本体以外に導入時に必要なこと」本文9~37行目
導入前から導入後までの様々な気になるポイントを解説(第回)
見出し「運用開始までのタイムスケジュール」本文1~10行目

 

3Dプリンター運用で重要な25のポイント(2)

>> 続けて見る