3Dプリンター利用ガイド: 本格検討編

3Dプリンターオープン

出力サービス企業での3Dプリンター導入と活用の実際(第二回)

3Dプリンターを利用する方法の1つとして、3Dプリンター出力サービスという方法がある。愛知県碧南市で3Dプリンター出力サービスを行っている中山木型製作所にて、3Dプリンター出力サービスを提供する側と、利用する側がそれぞれ知っておくべき内容について訊ねてみた。

出力サービスにおける顧客の獲得と、発注側がサービスを利用する上で知っておくべきこと

 

1.お客様獲得のカギはSEO対策

 
まずは3Dプリンター出力サービスを提供しようと考えている企業という目線からの話だ。

高機能な3Dプリンターを購入したものの、3Dプリンターを活用しきれていない企業も少なくないという。なぜなら、3Dプリンターを使いこなす技術はあるものの、既存のユーザー以外に営業先をさがすことができず仕事の依頼を得ることができないケースが多いそうだ。

そこで中山木型製作所では徹底したネット戦略を行った。インパクトのあるウェブサイトを作ってグーグル広告を利用する他、SEO対策として10本以上の3Dプリンターに関するブログと会社案内を用意。これにより、例えば「3Dプリンター」や「透明材料」などのキーワードで検索された際に、検索結果として自社のウェブサイトやブログが表示されるようになった。検索結果からウェブサイトへの流入は地域を選ばない。そのため、SEOを意識したネット戦略を行うことで、検索をきっかけとして全国から依頼を獲得することができるようになった。

さらにアクセスの状況を解析したところ、スマートフォンでの検索も多いため、スマートフォンからでも見やすいウェブサイトにした。また現在ではTwitterなどのSNSを通じた発信も行っているという。3Dプリンター出力サービスの提供には、機材や材料、工数など多くのコストがかかるため、事業として成立させるためには、ある程度の数の依頼をこなす必要がある。サービスを提供するだけでなく、効果的な宣伝や情報開示が必須だ。

 
導入3Dプリンター1
 

2.3Dプリンター出力サービスを利用する顧客について

 
続いて3Dプリンター出力サービスを利用する顧客について訊ねてみた。

中山木型製作所で先述のような対策を行った結果、検索からブログを読み、依頼をしてくるのは大学が多かったという。有名なところでは、名古屋大学、明治大学、北海道大学などからの依頼もあった。3Dプリンター出力サービスを利用する団体にはどのような団体があるのかについて訊ねてみると、いわゆる大企業は既に社内で3Dプリンターを持っているため、外部の業者に依頼を出すケースは稀だという答えが返ってきた。

もちろん依頼が全くないわけではないが、契約上、大手企業の依頼や大学からの依頼は事例を公表できないものも多いそうだ。これまでに依頼された内容としては、大学の研究で、光の屈折を調べるための拡大モデルなどの研究品の製作依頼や、自動車部品メーカーから透明モデルや治具、模型、試作品などの製作依頼があったという。また3Dプリンターを使わないが、製菓用としてチョコレートを注ぐシリコン型を製作したこともある。他には実際の製作依頼には至らなかったものの、公的機関から3Dスキャナーを併用して、現物の複製モデルを作成する相談もあったそうだ。

 

導入3Dプリンター2

3Dデータを確認

 

3.3Dプリンター出力サービスを依頼するお客様にお願いしたいこと

 
3Dプリンター出力サービスを利用する顧客について訊ねていたところ、発注する側にもお願いをしたいことがあるという。

それは発注する側も3Dプリンターについて、少し勉強をしておいてほしいということだった。便利さや話題性などから、3Dプリンターはテレビやメディアに取り上げられることも多い。しかしメディアによるイメージにより発注側に、3Dプリンターを使えば何でも安くできるというイメージがある場合があるという。3Dプリンターは機械自体の値段も安くはない。さらに材料にかかる値段もある。また3Dプリンター自体のスピードもあり、どのような形でもすぐに成形できるものではない。その上、サポーターの除去をはじめとした後処理などに掛かる工数も大きい。それなりのコストは必要となる。

形状や個数によっては、従来の切削などに比べて安くできることもあるが、例えばホームセンターで部品を買うような手軽な値段で3Dプリンターの出力を行うことは難しいということを理解しておいてほしいという。相談の中には古い金型などを3Dでスキャンし、データ化して再現できないかというような依頼もあるというが、3Dスキャナーからのデータ化も、多くの技術を必要とするため、データ化するだけでもそれなりのコストを見込む必要がある。

とはいえアイディアはお客様の中にあるとも言う。3Dプリンターを使うことで何をしたいか、どんなものを作りたいかという発想は、3Dプリンター出力サービスを提供している側からでなく、依頼する側から出てくる。例えば、トンネルのモデルを製作し、強度解析の結果を色分けして出力するなど、3Dプリンターで出力サービスを実施している側からでは思いつかないアイディアも多いそうだ。正しい知識をもって柔軟な発想で気軽に相談してもらうことで、3Dプリンターを上手く活用し、お客様の様々な「こんなものを作りたい」という気持ちをサポートしたいという。

 

第三回に続く(3月25週目公開予定)

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