3Dプリンター利用ガイド: 本格検討編

航空宇宙業界における3Dプリンターでの試作

航空宇宙業界においても、ジェットエンジンの部品のような最終部品が3Dプリンターで作られる事例が出ている。また同時に、従来のような試作、開発分野においても広く活用され、さまざまなメリットをもたらしている。

 

航空業界の試作で活用される3Dプリンター

3Dプリンターによるエンジン試作例

構成部品の1/3以上が3Dプリンターによって作られていることでも注目を集めるGE Catalyst。GE Catalystはセスナ・ディナリというプライベートジェットなどに使用される機体に搭載されるターボプロップエンジンである。GE Catalystは試作の段階から3Dプリンターが活用されている。

3Dプリンターは3Dデータをそのまま出力することが可能だ。また鋳造などのように型を必要としない。そのため設計から試作・製造にかかる期間を大幅に短縮することができる。繰り返される試作と試験の期間を短くすることで、GE Catalystは従来であれば6年かかるといわれているエンジンの開発期間を、2年で行うことができた。

3Dプリンターによる人工衛星の試作

3Dプリンターによる試作は航空宇宙業界でも行われている。その例の一つが人工衛星「ほどよし」だ。ほどよしは、東京大学超小型衛星センターとアクセルスペースの共同研究によって開発された超小型衛星である。高さ700mm~800mm、幅と奥行きが500mm程度、重量はおよそ50~70kgで、現在までに1~4号の4台が開発され、2号を除く3機が地上の撮影や、ほどよし工学に基づいた再起動実験など、宇宙でのミッションに成功している。

これの試作に使われたのがアルテック社の3Dプリンター Dimension SST 1200esだ。ほどよしに搭載される多くの部品の試作において3Dプリンターが活躍し、モックアップの際には外側から見える部品のすべてが3Dプリンター製だった。1号機はプロジェクトスタートからおよそ2年半で完成。その他の2号~4号についても、それぞれ2~3年程度の開発期間で完成させることができたという。

日本での事例

より高性能な3Dプリンターを求める動きもある。3Dプリンターで部品を造形する時間をさらに短縮するために、ボーイング社は造形物を空中に浮遊させ、レーザーなどを照射するヘッドを複数使う技術を考案している。現状では多くの3Dプリンターにおいてヘッドは材料の上部1箇所にしかない。複数のヘッドを使うことによって造形のスピードを早くすることと、造形物が土台を必要としないことで、造形後の後処理の時間を短縮するのが狙いだ。

ボーイング社では、造形物は超音波か磁力を使って空中に浮遊させると考えている。造形物の形によっては造形物を空中で回転させ、より早く柔軟な造形ができる。ボーイング社は2018年1月に、この構想で米国特許を取得している。
 

まとめ

3Dプリンターは航空宇宙業界の試作分野でも広く使われている。航空機のエンジンは複雑な形状が多く軽量化が求められる。さらに航空宇宙分野は形状が複雑な唯一無二のオリジナル部品を必要とすることも多く、3Dプリンターの強みが発揮されやすい分野の一つである。3Dプリンターの活用により、航空分野や航空宇宙分野で、従来は長い時間がかかっていた試作の期間を大幅に削減することに成功した。ボーイング社からの特許のように、3Dプリンターをさらに活用しようとする動きもあり、3Dプリンターは今後ますます航空分野や航空宇宙産業でも使用されていくだろう。

 

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