3Dプリンター特集2: 本格検討編

航空業界で活躍する3Dプリンター製最終製品

航空機に使用される部品はNadcapなどの厳しい認証が必要であることはよく知られている。しかしそのような高い品質を要求される航空機業界でも、既に3Dプリンターで作られた製品が最終部品として量産され、世界の空を飛んでいる。

高い信頼性が求められる航空業界でも使われる3Dプリンター製品

既に運用されている3Dプリンター製航空機部品

3Dプリンターで作られた航空機部品の先駆けともいえるのが、ボーイングのB737MAXやエアバスのA320neo、コマックのC919に搭載されたジェットエンジン「LEAP」だ。LEAPは主にLCCが運航する近距離、中距離路線用として2017年から運用が開始された。LEAPではエンジン内部に燃料を噴射するためのノズルが、3Dプリンターで量産されている。数万点の部品から構成されるジェットエンジンだが、LEAPに搭載された3Dプリント品は現在のところ燃料ノズル1種類、計19個のみだ。しかし、2018年現在では運用が開始されていないものの、LEAPよりも多くの3Dプリント品が使用されている航空機エンジンが、既に試験段階に入っている。

 

今後運用が予定されている3Dプリンター製航空機部品

3Dプリンターで作られた部品を使い、既に験段階にある航空機部品エンジンの1つが、ジェットエンジンのGE9Xだ。GE9Xは現在運航中の777に使われているGE90の後継機であり、民間の航空機エンジンとしては最大級の推力を持っている。このGE9Xのタービンブレードが3Dプリンターで作られて、イタリアで既に量産が開始されている。GE9Xは2016年に地上試験、2018年3月に試験飛行が開始された。2021年にはANAホールディングスに受け渡しが行われ、就航する予定になっている。

もう1つ、試験段階にあるのがGE Catalystだ。GE Catalystはプライベートジェットなどに使われるセスナ・デナリに搭載されるターボプロップエンジンである。高性能でありながらプライベートジェットを初めて導入する層に向けた価格帯を実現するため、多くの部品を3Dプリンターで製造している。その数は部品の1/3以上に及ぶ。3Dプリンターの特長として、従来の加工法では不可能だった複雑な内部形状や中空形状、格子状の形状加工が可能という点が挙げられる。この特性によりGE Catalystでは、従来であれば複数の部品から構成していたパーツを一体化コンポーネントで製造することに成功した。それにより従来の製造法であれば使われていたであろう855個の部品が12個のコンポーネントで担われ、部品点数が大幅に削減されている。

GE Catalystに対する3Dプリンターの貢献は部品点数の削減だけではない。軽量化においても多くの貢献をし、従来の工法に比べて15~20%の軽量化を実現している。従来のような鍛造や鋳造の場合、実現可能な肉厚の薄さには限界がある。しかし3Dプリンターであれば強度に関わらない部分の肉厚を限りなく薄くすることが可能であるためだ。

GE Catalyst は既にテスト段階にあり、現在は認定待ちである。サービス運用は2020年に開始される予定だ。

航空業界における3Dプリンターと日本での動き

航空業界では3Dプリンターを使用した製造方法をアディティブ・マニュファクチャリングと呼ぶことがある。アディティブ・マニュファクチャリングとは日本語は付加製造という意味合いで、薄い層を重ねていく様子を表現している。航空業界で使用可能な新たな3Dプリンター用金属素材の開発や、大型の部品が製造可能な3Dプリンターの開発も進められており、3Dプリンター製の航空機部品は今後さらに増えていくだろう。

日本国内ではIHIが先述のGE9X開発に携わっている他、本田技研が金属3Dプリンティングを専門とするGEアディティブと提携するなど、航空機業界での3Dプリンター活用に向けた準備が始まっている。

まとめ

ボーイングやエアバスなど、主要な航空機メーカーでも3Dプリンター製の部品を最終製品として使用する例が既に出てきている。GE9Xのような注目度の高いエンジンが就航することで、3Dプリンターを用いた部品製造にもより関心が寄せられるようになるだろう。

 

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